そもそも焼香とは仏式葬儀で抹香(お線香を細かくしたもの)を焚くことを言い、死者を弔うため、僧侶にお経を読んでもらい抹香をあげ、拝み、見送ることです。その方法は大きく3種類あると言われています。これら3種類の形式は宗派ではなく、お葬式の形式によって異なります。
まず1つめは、「立礼」です。これは、広い斎場などの椅子席の場合に用いられ、会場の祭壇の前に立ったまま行われます。2つめは、「座礼」です。これは、自宅や寺院などの畳敷きの会場の場合に用いられます。基本的に立礼とやり方は変わりませんが、移動をする際に立ち上がるのではなく、腰を落として行います。
具体的にはまず、両手を使って膝立ちします。その体制のままで祭壇まで向かい、正座で行います。移動の際に注意する点は、祭壇やご本尊を見下ろすような形にならないようにすることです。3つめは、「回し」です。これは、会場が狭いなどの理由から移動することが難しい場合に用いられます。焼香台が順番に回ってくるので、自分に回ってきたらこれに焼香を行い、隣の人に回します。これら3種類の方法を知っておくことが望ましいと言えますが、最近では「立礼」が多い傾向にありますので、これを覚えておくと良いでしょう。